【2026年版】オーストラリアの医療制度|GP受診から薬の処方まで解説
これからオーストラリアへの旅行や留学、移住を考えている方にとって現地の医療制度は気になるところ🏥
持病がある方はもちろん、急な体調不良などに備えて知っておくことはとても大切です。
なぜなら、日本とオーストラリアでは医療制度がかなり違うから。
この記事では、実際にあったケースも紹介しながらオーストラリアの医療制度について詳しく説明していきます💡
お急ぎの方は目次から必要な部分だけサクッとチェックしてね!👇👇👇
目次
体調不良/ケガ発生!まず行くところは?
日本では体調不良やケガで病院に行く場合、まずは症状にあった近くの病院に行くのが一般的です。例えば
- 「なんか風邪っぽいな・・・」⇨内科
- 「脚を痛めた!」「なんか腕が上がりづらいな」⇨整形外科や整骨院
- 「最近、生理痛がひどいな〜」⇨婦人科
などなど。自分でネットで調べて行ったり、いろんな科が入っている大きい病院に行って受付で相談…てこともあると思います。
それは日本がどの医療機関でも自由に受診できる仕組みだからです。
それに対して、オーストラリアはまず「GP」を受診する”ゲートキーパー制”が基本です。
オーストラリアではまず【GP】に診てもらうのが基本!
GPとは「General Practitioner(ジェネラル・プラクティショナー)」の略で、総合診療医・家庭医のことです。
GPは「幅広い症状に対応できる総合的な診療」を行います。
オーストラリアでは、まずはGPがいるクリニックを受診します。軽い体調不良やケガであれば、そこで診察や検査、処方を受けます。
そのときGPが
- さらに詳しい検査が必要
- 専門医に診てもらう必要がある
- 緊急を要する
などと判断した場合、紹介状を書き、大きな病院や検査機関を受診することができます。
ちなみに、GPがいる小さな病院のことは「Clinic」や「Medical Centre」、「Family medical Clinic」と呼びます💡
なおGPの紹介状がない場合、専門医の診察は受けられないか、受けられてもメディケア(オーストラリアの公的保険)が適用されず全額自己負担になることが一般的です。
じゃあメディケアじゃない短期滞在者が旅行保険とかを使う場合は関係ないってこと?
それが、紹介状が重要になるのはメディケアで補助を受けるためで、観光客や短期滞在者はそもそもメディケア対象外なので補助が出ない(🟰全額自己負担)なんだけど・・・
現実的には専門医が「紹介状を持ってきて」と言うことが普通にあったり、海外旅行保険がGP受診を前提にしているケースもあるみたいです💦
オーストラリアでは専門医は”ニ次医療”の役割なので、
- いきなり来る患者を減らす
- 必要な情報(症状・既往歴)をGPから受け取る
ために、紹介状前提で診るながれとなっているのです。
GPは入り口(トリアージ)の役割にもなっているんですね。
GPへの行き方や選び方は?
GPは基本的に予約制です。まずは電話で症状を説明し、予約を取りましょう。
一部のGPでは「Walk-in(予約なし)」対応の枠や専用時間を設けているところもあります。
またネット予約ができたり、オンライン診療をおこなっているGPもいます。
評判が良いGPや、特定の専門医と繋がりが深いGP(例えば、有名な皮膚科の専門医と繋がりがあり紹介がスムーズ など)もいるので、自分のいるエリアで普段から情報を集めておくと良いです。
費用もクリニックによって違います。これは政府が定めた金額にプラスする部分がクリニックごとに違うからです。
また、旅行者向けに無料送迎サービスがあったり、日本語の通訳をつけられるクリニックなどもあります。
緊急を要する場合は?
緊急を要する症状やケガの場合は、Emergency(救急外来)がある病院に直接向かうか、救急車を呼びましょう。
救急外来は主に公立病院にあり、私立病院では限られています。
オーストラリアで“Hospital”というと、公立病院や私立病院といった大きな総合病院のことを指すよ💡
救急や手術設備があって、入院が可能な規模だよ🏥
救急に行くべきか迷う場合は、病院に電話で状況を説明し「すぐ来てください」「まずはGPにかかってください」といった病院の指示にしたがいましょう。
救急車は州によって金額が違います。
観光客や短期滞在者は高額請求(1,000ドル以上)になったり、保険によってカバーされることもあるので、万が一に備えて普段から自分の保険内容を確認しておくと良いでしょう。
ただ、どこの州も救急車が足りていない問題があるのが現状で、救急車を呼んだけど「今出払っているからタクシーで行って!」と言われることもあるようです。
最初から公立病院・私立病院に行っちゃいけないの?
結論から言うと、GPに行かずに公立病院や私立病院といった大きな病院に直接行くことは可能です。
おもに公立病院にあるEmergency(救急外来)では、「Walk-in(予約なし)」に対応しています。
ただ軽症な場合、数時間待ちというのはざらです。
これはトリアージ(治療の優先順位)制なことに加え、メディケア(オーストラリア市民や永住者が加入する公的保険)で公立病院でかかる費用が無料になるからです。
ここでいう”数時間待ち”とは2〜3時間なんてものではなく、8時間以上、日付が変わるまで待つ、なんてことも😱 また「ちょっと風邪っぽい」程度だとGPに行くように言われることもあります。
救急外来では、まず病院に入ってすぐの受付で看護師もしくは医師がトリアージをつけます。
ここで軽症と判断された場合は待合室の椅子で待つことになるのですが、ずっと待っていても新しく重症の人が来た場合はその人が優先となり、場合によっては本当に延々と待つことになります。
「重症か軽症か」は”命に関わるかどうか”という基準なので、例えば脚を骨折していても「鎮痛剤を飲みながら9時間待たされた」なんてこともあるようです👀
死ぬほど痛くても、死にはしないと判断されたらめちゃくちゃ待つのね…
直接行くことはできる、
でもまずは病院に電話で相談するのが良さそうですね💦
私立病院の場合は救急部門がない病院も多く、数はとても限られています。また費用がとても高いため、プライベート保険に入っているかどうかも重要になります。
診察のながれは?紹介状をもらったらどうするの?

ここからは診察の内容と、紹介状をもらった場合のながれです。
とはいえ、それぞれの先生のやり方やクリニックの方針に違いがあり本当に様々なので、ここでは実際にあったケースを紹介していきます。
参考にしてもらえたら嬉しいです。
ケース① 子供 (13歳):風邪症状と高熱で受診
2、3日前から鼻水・鼻詰まり・咳といった風邪の症状。
薬局で買った市販の薬とトローチを服用しながら様子をみていたが、39.5度の高熱と夜も眠れないくらいの咳になったため、GPを受診。
喉のチェックと胸に聴診器をあて、他の検査は特になし。
医師から「薬局で市販の風邪薬を買って飲んでください」と言われたので、再度「もう3日前から飲み続けていて、トローチも舐めている」と伝えたが、
👨⚕️「もう少し市販薬で様子を見て」と言われる。
結局帰りに薬局で市販薬を買い足し、9日後ようやく咳が落ち着いたので学校へ行く🏫
その後も夜になると出る咳はなかなか治らず、すっきり治るまでは1ヶ月ほどかかった。
ケース② 大人:高熱でオンライン診察
朝から少し寒気がするな〜と思っていたら、夜になり39度の高熱がでる。
翌朝かかりつけのGPに電話すると、高熱がある場合は基本オンライン診察をしていると言われ、オンライン診察を予約。
時間になるとGPからビデオ電話が来て、問診を受ける。
👨⚕️「インフルエンザやコロナの可能性は低そうだけど、心配なら薬局に行き簡易検査キットを買って検査して」と言われる。
👨⚕️「もしくは薬局で市販薬を買って様子をみて」と。
関節痛の感じから自身はインフルエンザを疑っていたので、薬局に行って検査キットを購入。車の中で自分で鼻のぐりぐり検査。結果は陽性。
再びビデオ電話で医師に報告すると、すぐにメールでタミフルの処方箋と、職場に提出するための「Medical Certificate」がメールで届く。
薬局に戻り、処方箋のQRコードを見せてタミフルを購入。数日後に回復✨
ケース③大人:副鼻腔炎で耳鼻科の専門医へ紹介状
もともと副鼻腔炎(蓄膿症)持ちで日本でも通院歴があり、目の下の痛みや発熱など同様の症状が出たため、GP予約時にその旨を伝えて受診する。
手術を希望していたため、あらかじめ公立病院の耳鼻科をリサーチし、診察室に入ってすぐに「ここの病院の耳鼻科に紹介状を書いてほしい」と伝える。
診察自体は鼻の中をのぞく程度で5分ほどで終わり、紹介状と点鼻薬の処方箋をもらう。
ちなみに軽度〜中程度の副鼻腔炎なら、抗生剤の処方や鼻洗浄の指導などGPだけで完結することがほとんどみたいです💡
家に帰ってから公立病院の耳鼻科へ予約の電話をする。診察を受けれるのが最短でも5ヶ月後と聞いて衝撃をうける(°_°)
5ヶ月後、専門医の診察を受け手術が決まったので、手術の待機リストに登録をする。
看護師に「命に関わる手術ではないため、かなり待機期間は長くなるよ」と言われる。(1年以内にはできるらしい(°_°))
現在、リストに登録してから4ヶ月が経つがまだ音沙汰はない。同じような緊急度の手術リスト入りした友人いわく、ある日突然「○○週間後に空きがでましたよ」と連絡があるらしいので、気長に待つ・・・💪
※待ち期間は地域や症状の重さによっても異なります。
処方箋と薬局について

診察で薬を処方された場合は、日本と同じように処方箋(Prescription)をもらいます。
処方箋は紙が一般的でしたが、最近は「eScript」という電子処方箋も増えています。紙がなくてもSMSで届くQRコードを薬局で提示すれば薬がもらえてとても便利です💊
まれに大きな公立病院では敷地内に薬局が併設されていることもありますが、たいていは処方箋を持って少し離れた薬局に自分で行くことになります。
「Chemist Warehouse」などドラッグストアの中に入っていることがほとんどです。
薬局でのながれ
薬局での流れは日本とほぼ同じです。
- 受付で処方箋を出します。この時メディケアなどの保険の有無を聞かれるので、あれば提示します。
- 混み具合にもよりますが、大体10〜20分くらい近くで待ちます。
- 薬剤師から名前を呼ばれたらカウンターへ行き説明を受け、お会計をします。
ただ、薬局での英語って難しい!😂
専門用語に加え、「質問に答えられないと薬をもらえないんじゃないか」というプレッシャーもあるんですよね。(←そんなことはない)
何度か聞き返すと簡単な英語に変換してくれることもあるので、分からなくてもめげずに気合いで聞き返しましょう!💪
薬局やビザの種類によってもお会計が変わってくる!
オーストラリアと日本の薬局の大きな違いは、金額です。
まず、薬の値段は各薬局が決めることができるので、同じ薬でも薬局によって値段が違います💸
自分のエリアでどこの薬局が安いのか調べておくと良いですね。
私はゴールドコーストなんだけど、病院の人も友達も
「Chemist Warehouseが安い!」って言ってたよ!
また、ビザの種類によっても薬代が変わります💸
- 市民・永住者(Medicareあり)
⇨ PBS価格 (オーストラリア政府の薬代補助制度)で安くなる。
- 学生ビザ(保険に入ることが義務付けられている)
⇨保険会社による。後日返金型も多い。
- 観光ビザ・ビジネスビザ
⇨フルプライス(一番高い)。旅行保険に入っていると後日返金があることも。
ちなみに私が処方してもらった持病の薬は保険対象外の薬だったから、
日本では一ヶ月分1,200円くらいなのが、オーストラリアでは7,000円くらいしたよ…💸💸💸
日本と一番違うのは、薬の考えかたと処方のしかた
あとこれは薬局というより処方の話になるのですが、オーストラリアでは薬は必要最低限しか出しません。
日本で風邪をひくと、咳止め・解熱剤・抗生物質ととりあえず数種類の薬が出ることもありますよね。
でもオーストラリアでは
- 軽い風邪 ⇨ 「休んで水分とってね」
- ウイルス性なら薬なし
- 痛み止めは市販薬でOK
…ってことも。
つまり、様子を見ながらできるだけ自分の免疫で治そうという文化なんです。
とくに抗生物質の処方は、抗生物質の乱用で効かない菌(🟰耐性菌)が増えるのを防ぐために、国として厳しく管理しています。
ウィルス性の風邪には抗生物質は処方されないし、細菌感染で処方される場合も必要最低限の期間のみです。
不必要な薬を出さないことで医療コストを抑える意味もあります。
また先ほど紹介した「ケース①」のように、診察を受けても処方箋なしで
👨⚕️「Just grab something from the pharmacy.」(薬局で何か買ってね)
と言われることも。
そしてその薬局で売っている市販の風邪薬の成分も、ハーブ系・ナチュラル志向が強く、自然療法的な商品が多いんです。
エキナセア(免疫系)、ユーカリ、ティーツリー、マヌカハニー、ハーブ配合シロップ…とかね!
薬は必要最低限で無理に処方しない方針なので、結果的にサプリやナチュラルな方法で様子を見ることが多いんですね🌱
GPといった医療制度もそうですが、実際に病院にかかることでかなり文化や制度の違いを感じますよね!
まとめ
オーストラリアでは、日本のように直接専門医にかかるのではなく、まずGPに相談するのが基本です。
軽い症状であればその場で診察や処方を受けられ、必要に応じて専門医へとつなげてもらえます👨⚕️
最初は戸惑うかもしれませんが、GPが”入り口”としてしっかり役割を果たしてくれるので、迷った時はまずGPに相談すれば安心です。







